PoCにおいて重要なのはスピードです。
実現可能かどうかの判断を早くするためには、少しでも早く作り、仕様の方向性を素早く決める必要があります。そのような際、正規材料の歯車を発注するよりも3Dプリンタでギアを作成することで検証スピードを上げています。
ですが、ギアのデータを1から作ることは大変です。
そこで、FA機器購入サイト等で歯車を見積もり・発注するときに、多くの場合はその3Dデータが得られますが、そのデータを活用します。その形状がそのまま使える場合は、stlなどのデータに変換して造形します。
一方、希望通りの形状のものがFA機器購入サイト等で作成できない場合は、ベースとなるデータ(歯数・モジュール数など)をダウンロードし、自分の変更したい部分(歯厚・ボス径・穴径など)のみをCAD上で加工することで、3Dプリンタ用のデータを作成できます。
この際、量産化を考慮したうえで、実際のギアを作成する旋盤もしくはフライス盤での加工を考慮した設計をしています。金属3Dプリンタも実用化されつつある今、そのうちギアも3Dプリンタで作れるようになるかもしれませんが、まだコストが折り合わないので、現在広く使われている工法を意識したモデリングが重要だと考えています。
従来型の板金切削加工を利用すると最低でも一週間は掛かりますが、3Dプリンタなら一日で完成する事も可能です。以前の板金切削加工での製作とは比べ物にならない速度で開発を進める事が出来ます。
これも弊社の強みの一つであるスピード開発に繋がっているというお話でした。