導入インタビュー
料理長が、鍋を振る仕事から商品開発へ。
2026/11/02
外食産業の人手不足・働き方改革・調理の標準化。
これらの課題を一挙に解決する鍵として、調理ロボット「I-Robo 2」が注目を集めています。
今回は、2025年にI-Robo 2を導入し、大きな成果を上げた株式会社リ・ライフ 稲見代表取締役社長にお話を伺いました。
目次
1. 導入の背景 ― コロナ禍で揺れた飲食業を立て直すために
聞き手まず、I-Robo 2 を導入された背景について教えてください。
稲見社長コロナ禍では、店舗撤退を含む大きな打撃を受けました。その過程で、社員や職人の仕事量のバランスが崩れ、パート比率が高い中で正社員が疲弊する構造になってしまったんです。
白木中華業態はまさに“属人化の塊”で、火力・鍋さばき・経験に大きく依存しますよね。 私たちも全国を回っていますが、採用困難度は外食の中でもトップクラスだと感じています。
稲見社長その通りです。そんな中、離職も起きて組織が揺れました。人手不足が深刻で、職人の離職も相次いだ。けれど、これを“チャンス”に変えようと考えました。


2. DX化は避けられない ― 「ピンチをチャンスに変える」
聞き手ロボット導入を決断された最終的な理由は何だったのでしょうか?
稲見社長退職者が出て、組織が崩れる可能性さえありました。でも、逆に「ここで変わるしかない。今こそ改革のタイミングだ」と強く感じたんです。
「DXとロボット化は、未来の働き方をつくるために避けて通れない。」
I-Robo 2 はその“起爆剤”だと思いました。職人の技術をデータ化し、それを資産に変えることで、会社全体の成長につながると思ったんです。
白木職人の“頭の中のレシピ”をデジタル資産にするという視点、素晴らしいです。
デジタルレシピにすることで、料理品質の均一化はもちろん、多店舗展開も容易になりますね。
I-Robo 2 はまさにその“器”になる存在なので、私たちとしても強く共感します。
3. 驚きの変化 ― 50時間の研修が「30分」に
聞き手導入後、育成面ではどんな変化がありましたか?
稲見社長チャーハン1品を作れるようになるまで 50時間 必要だった研修が、I-Robo 2なら 30分 です。
新人・パート・外国人でも、すぐに戦力化できます。深夜の自主練習みたいな慣習もなくなりました。
白木研修時間を短縮できれば、開店までの期間の短縮、育成コストの削減ができますね。


4. 売上150%、1万人来店の月も ― I-Robo 2 が支えた繁忙期
聞き手定量的にも大きな成果が出ていると伺いました。
稲見社長はい。伊丹空港店では導入後、
・前年比150%の売上
・月間1万人超の来店
・回転数10回転
・前月対比 原価1.6% 削減
という、飲食店としては“限界値”に近い動きを実現できました。
I-Robo 2が安定して調理を続けてくれたおかげで、現場は崩れませんでした。
また、原価率に関しては、坦々麺セットが今まで白米であったのが、I-Robo 2導入後、より原価率が低いチャーハンとセットで提供できることが可能になったことにより1.6%も削減できています。定性的なところでは、味に対してのクレームがロボットの導入後なくなったのも嬉しい効果でした。
白木これはすごい数字です。
ロボットは調理量が増えてもクオリティが落ちないので、大量需要が発生する空港立地と相性がいいんです。
人間だと疲労でブレが出ますが、ロボットは“繁忙期こそ本領発揮”なんですよね。

5. 組織文化が変わった ― 多様な人材が厨房に参加できる時代へ
聞き手職人の方々の意識にも変化があったそうですね。
稲見社長はい。I-Robo 2 が入ったことで、
「経験10年でないと無理」「女性は触れない」「外国人では難しい」
といった、厨房の“固定観念”が壊れました。「技術に人材を合わせる時代から、人に仕事を合わせる時代へ変わった。」
若手の育成も楽になり、離職防止の兆しも見えています。
6. 料理長の役割が変革 ― “鍋から経営へ”
聞き手印象的な変化として、料理長の役割転換もあるとか。
稲見社長そうなんです。20年勤続の料理長が、今ほとんど鍋を振っていません。
代わりに 商品開発・業態開発・出店戦略 に関わるようになりました。
「I-Robo 2 が時間と心の余裕をつくり、視座が一段上がった。」
これは組織にとって非常に大きい変化です。
白木それは、象徴的な事例ですね。
I-Robo 2が現場負荷を肩代わりすると、管理職の視座が“現場最適”から“全体最適”へ一気にシフトします。結果、企業の競争力や従業員の満足度が見違えるほど上がる。
7. 年間480〜500万円の労働コスト改善
聞き手コスト改善の効果も大きいと伺っています。
稲見社長はい、年間で 約480〜500万円 の労働コストが改善しました。
ただの“削減”ではなく“価値ある仕事へのシフト”だと考えています。
白木ロボット導入は、ただ単に「省人化」だけを目的にすると失敗します。稲見社長のように「空いた時間をどこへ投資するか」「従業員の職場環境改善」を考える企業こそ、最も成果を出されていると思います。
8. 100店舗構想 ― 未来の飲食モデルづくりへ
聞き手今後の展開について教えてください。
稲見社長I-Robo 2を中心にした 小規模・高速回転型のモデル店舗 をまず作ります。
その上で、チャーハン+点心の組み合わせによる 100店舗展開 を目指します。
・外国人店長
・女性店長
・シニア管理職
といった多様性ある組織づくりも進めていきます。
白木私たちとしても、炒め以外の工程のロボット化や、レシピのクラウド化、味の標準化など、全面的な技術支援をご一緒したいです。

I-Robo 2の導入は、単なる調理自動化や生産性向上に留まらず、人材育成・組織文化まで変革する“働き方革命”となっている。